お客さまからよく聞かれる質問の1つに、「コーヒーは "豆の状態" で買うべき?"挽きの状態(粉)" でもいいの?」というのがあります。ここでは、コーヒー豆の状態(豆or挽き)がコーヒーの味わいに及ぼす影響について見ていきましょう。
豆の"酸化"による味の変化
コーヒー豆というのは、焙煎すると豆の状態(豆or挽き)に関係なく「酸化」が進みます。これがとても厄介なもので、酸化にはコーヒーの味を変えてしまう(酸味や苦味が強くなる)働きがあります。このとき、既に豆が挽かれている状態だと、物理的に空気に触れる面積が大きくなるため、酸化もより進みやすくなります。つまり、酸化防止という意味では、"挽きの状態" は不利だといえます。
豆の”炭酸ガス含有量”による香りの変化
焙煎されたコーヒー豆の内部には炭酸ガスが閉じ込められていて、その含有量が多ければ多いほど、豆を挽いた時に香りが強く広がり、コーヒーの香味をより楽しむことができます。
ということは、豆の状態であれば、いざ飲むとき(=豆を挽くとき)まで香りをある程度保つことができるのに対し、挽きの状態では既に香りがいくらか飛んでしまっている可能性が高いということです。これでは、豆本来の香りを十分楽しめなくなってしまいます。
以上のことから、コーヒーのもつ香りや味わいを最大限に楽しむには、やはり豆の状態で購入し、飲む直前に豆を挽いていただくスタイルがオススメです。しかし、1日に何度も飲むなど豆の消費の早い方や、1週間で消費できる量(1杯15gとして100〜200gほど)をこまめに購入することが可能な方は、挽きの状態で購入するのでも問題ないと考えます。
挽いた状態で保存しておくことのデメリットを知った上で、1日に飲む量なども考慮し、ご自分に合った状態のコーヒー豆を選んでみてくださいね。